クリニックって病院に比べて楽そう!と思われる看護師さんは多いかと思います
クリニックの患者さんは慢性疾患の患者さんから、風邪などの急性期の患者さんなどさまざまな方が受診されます
しかしそのほとんどで緊急対応を求められることはありません
残業も少ないところが多く、プライベートも充実させやすいのがクリニックの魅力
でもクリニックに受診したことはあるけど・・・
クリニックの仕事って具体的になにをやるの?
病棟とクリニックってどう違う?
雑務が多いって本当?
そんな疑問をクリニック看護師が未経験な人に向けてわかりやすく解説していきます
現役クリニック看護師のぽらみんです!
私の勤務している小規模クリニックのことを中心に解説していきます!
クリニックってどんなところ?
クリニックは医療法で「診療所」に分類されます
「診療所」はクリニック以外に、○○医院、△△内科など様々な名称があります
「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
医療法:第一条
クリニックにも入院できる施設もあり、有床クリニックと無床クリニックにわかれます
そのなかでも病院付属のクリニック、診療科が多くたくさんの医師がいるクリニックなどの規模が大きいクリニックから、院長一人で患者の診察にあたる小規模なクリニックなどさまざまです
診療科も細分化され、働く診療科によって業務内容がかわってきます
クリニックの主な仕事内容
クリニックの主な仕事内容はこちらになります
- 診察補助(処置や検査)
- 物品管理
- 雑務
一般的な病院に比べ規模が小さいため患者数も少なく、仕事量も少ないです
特に内科の場合は感染症が流行っている場合などで患者さんが多く忙しい日もあれば、患者数が少ない日もあり、その日の忙しさが大きく変わります
また、予約制をとっているクリニックは、その日の処置や検査などの予定が立てやすいですが、予約外の患者さんの来院などもあり、臨機応変に対応していく必要があります
診察補助
クリニック看護師の主な仕事は診療補助といっても過言ではありません
採血や点滴・注射から、診察の介助、検査や治療の説明など短い時間で患者さんとかかわり適切に行っていかなければなりません
特にクリニックの専門分野によって、検査や治療の内容が変わっていきます
例えば、消化器を標榜しているクリニックでは、上下内視鏡を取り扱うことが多いため内視鏡検査の説明から前処置、内視鏡の検査の介助や洗浄などが業務に入ってきます
ほかにも、小児科は予防接種の種類も多く、特に乳児は頻回に接種するため予防接種に関わる業務が多くあります
このように専門分野によって検査や処置などの業務が変わってきます
物品管理
注射針やシリンジ、薬剤などの在庫管理も業務のひとつです
治療に必要な薬剤などの物品は、切らしてはいけないのはもちろんですが、規模が小さいクリニックでは置いておく場所も少ないため在庫を抱えすぎるわけにもいきません
あまり使用しない薬剤などの使用期限切れ、または発注忘れによる在庫切れは診療に影響することになります
物品の管理者はクリニックによって違いますが、主に看護師が行っていることが多く、重要な業務の一つといえます
事務作業・雑務
小規模なクリニックでは医師、看護師、事務と少人数で運営しています。そのため、看護師が受付や電話対応、会計などを行う場合があります
書類などの作成やマニュアルなどの管理のほかに、事務関係の書類などの管理も看護師が行っている場合があります
掃除などの雑務に関しては、Aクリニックでは看護師は掃除を行わないがBクリニックでは看護師と事務と交代で掃除を行うなど、看護師と事務の仕事の分配はクリニックによって違います
場合によっては、外の植木の水やりや、駐車場の草刈りなどの雑務をこなすこともあります
クリニック看護師の一日の流れ
私の勤務しているクリニック(内科・小児科)の
勤務スケジュールです
参考にしてくださいね
8:00 出勤 | ・白衣に着替えて勤務開始 ・院内で使用するタオル類の洗濯 ・健診や予防接種などの予約者の準備 ・診療に使う器材や物品準備 ・PCなどの立ち上げ ・レントゲンや血液検査器材などもすぐに使える状態にする |
8:30 受付開始 | ・来院患者さんの対応 ・診察前に検査がある方 ・感染症の可能性がある方の別室対応 ・緊急性が高く、早く医師に診察してもらった方がよい場合などの対応 ・診察前の問診 (これらの業務は診察が開始してからも続きます) |
9:00 診療開始 | ・診療がスムーズに行われるようにする ・医師の指示のもと検査や処置を行う ・電話対応や物品の納品なども対応 |
12:00 診療終了 | ・患者さんの来院具合によって残業になる場合がある ・診療がすべて終了したら清掃 |
12:30 休憩 | ・クリニックは休憩が長く120~180分が多い ・一旦帰宅したり昼食を取ったり自由にすごせる ・クリニックによっては検査や予防接種を休憩時間に入れていることがあります |
15:15 出勤 | ・白衣に着替えて勤務開始 ・物品の補充、在庫確認 ・予約者の準備 |
15:30 受付開始 | 業務内容は午前と同じです ・来院患者さんの対応 ・診察前に検査がある方 ・感染症の可能性がある方の別室対応 ・緊急性が高く、早く医師に診察してもらった方がよい場合などの対応 ・診察前の問診 (これらの業務は診察が開始してからも続きます) |
16:00 診療開始 | 業務内容は午前と同じです ・診療がスムーズに行われるようにする ・医師の指示のもと検査や処置を行う ・電話対応や物品の納品なども対応 |
19:00 診療終了 | ・患者さんの来院具合によって残業になる場合がある ・翌日の予約確認、準備 ・PCや機械類の電源OFF ・物品や器材の片づけ ・着替え |
クリニックによって業務スケジュールは変わってきます
多くのクリニックは午前と午後に診療を行うため、診療の間が休憩時間です
午前の終了時間や午後の開始時間によって休憩時間は異なりますが、帰宅したり買い物に行ったりできるところが多いです
病棟とクリニックの違い
大きな違いは以下になります
- 医師の人数・看護師の人数が少ない
- プライベートを充実させやすい、体力的に楽
- 病棟勤務より収入が少ない
- 看護師として成長するためには自助努力が必要
詳しく説明していきます
医師の人数・看護師の人数が少ない
小規模クリニックでは、院長である医師が1名、看護師、事務が数名というところが多いです
私の勤めてるクリニックは
医師1名
看護師3名(常勤1名、パート2名)
事務4名(常勤1名、パート4名)
人数が少ないため、「合わない人がいると最悪」とよく聞きます
それは本当にそのとおりです
しかし、人数が少ないからこそ、同僚が何を苦手にしていて、どんな良いところがあるか
どのように接したらクリニックの雰囲気がよくなるか、次第にわかるようになります
クリニックでは一緒に働く時間が長く関わりが深くなるのでアットホームで人間関係の構築がしやすいです
プライベートを充実させやすい、体力的に楽
病棟では当たり前だった委員会や勉強会は、負担の大きいものの一つです
クリニックでは委員会活動や、勉強会も少ないため、休みの日はしっかり自分のことに使うことができます
私の勤めてるクリニックでは
委員会はなく、勉強会は年に2、3回です
また日勤のみの業務が多く夜勤がないため体力的な消耗を抑えることができます
そして、クリニックはカレンダー通りに休診日を設けているところが多いです
もちろん日曜日や祝日も診療を行っているクリニックもありますが多くはありません
日曜日や祝日が必ず休みとなっていると予定も立てやすいですし、子育てママさんは子供と一緒にいる時間を確保することができます
休憩時間も長いため、その時間に夕飯づくりをしておいて、帰宅してから家族と一緒にご飯を食べているという看護師さんもいます
家族との時間を優先したい、仕事以外にもやりたいことがある場合は病棟勤務よりクリニック勤務のほうが時間をつくれることが多いです
病棟勤務より収入が少ない
クリニックでは夜勤がなく日勤のみのところが多いため夜勤手当がありません
そのため病棟よりもお給料が減ります
また、個人経営のクリニックでは退職金や手当が支給されないところもあります
入職してからこんなはずじゃなかった!とならないようにしっかりリサーチする必要があります
クリニックの看護師の求人情報を見ると、地域によって差はありますが
月収23~30万程度が多いです
「令和4年度版厚生労働白書 看護師の平均賃金(役職者除く)」では
令和3年の看護師の平均月収は39.9万円です
看護師の平均月収から見ても、クリニック看護師の給与が少ないことがわかります
しかし、透析クリニックや美容クリニックは給料が高めなことが多いので、高収入を期待した方は透析クリニックや美容クリニックを検討するとよいかもしれません
看護師として成長するためには自助努力が必要
先ほども触れましたが、クリニックでは勉強会は少ない、もしくはありません
また、少人数で運営しているため看護教務以外の雑務もあり、教育体制も整っていないところが多いです
そのためわからないことなどは、自分で勉強していく必要があります。
採血や注射などのスキルは落ちることはありませんが療養上の世話を行うことが少なく、多くの看護スキルが身につくことはありません
病棟のようにさまざまな症例にあたることはありませんが、来院される患者さんの疾患の知識などはある程度、頭に入れておく必要があります
また、世間ではどんな感染症が流行っているか、人々に関わる健康のニュースなどは常に情報収集しておく必要があります
クリニック看護師のやりがい
クリニックで働く看護師は、
「雑務も多いしやりがいなど感じられない」
と思われがちですが、そんなことはありません
病棟とは違ったやりがいがあります
- 地域医療に貢献できる
- 少人数のため責任をもって働ける
- 予防医療に携われる
詳しく説明していきます
地域医療に貢献できる
クリニックはちょっとした健康面での困りごとなどを気軽に相談できる「かかりつけ医」として地域医療にかかせない存在です
医師に言いづらいこと、言い忘れたことを看護師に話すこともよくあります
慢性疾患の場合は長期的に通院が必要なため、だんだん顔なじみになり世間話やちょっとした相談にのることもあります
患者さんの生活状況や健康状況を把握することで適切なサポートを行うことができるようになります
それによって患者さんが健康を維持できていたり、元気になっていったりすることを見ることができるのはクリニック看護師ならではのやりがいの一つです
少人数のため責任をもって働ける
少人数で運営しているクリニックでは看護師が一人、というところもあります
つまり、自分しか看護師がいないという状況になるのです
医師が近くにいますが、病棟のようにすぐに相談できる看護師が近くにいないのは心細いです
しかし、看護師が自分一人ということで自然と責任感が生まれます
そして、自分が一人でも対応できるように、
わからないことは調べ、出来ないことはできるようにと、向上心を持つことができます
予防医療に携われる
クリニックでは特定健診、がん検診や予防接種なども取り扱っているところが多いです
つまり、健康状態が良好な方を対象としているため、そこで病気を発見できたり、
予防接種で病気を予防することにも貢献していることになります
特に小児科は、生後2か月から予防接種を開始します
予防接種を通してこどもの成長をみることができます
生後2か月の赤ちゃんが1歳になり歩いているところを見ると、この仕事を選んでよかったと思えます
クリニックに向いている人
クリニック看護師に向いている人はこんな方です
- プライベートを充実させたい
- 地域医療に興味がある
- 自分で向上心をもって学べる
- 協調性がある
詳しく説明していきます
プライベートを充実させたい
クリニックは休みが固定しており、残業も少ないため、仕事以外にも頑張りたいことがある方には時間をうまく使うことができます
体力的にも消耗が少ないためプライベートな時間に力を注ぐことも可能です
私はクリニックで働きながら
准看護師から正看護師へステップアップしました
働きながら学業・育児を両立させました!
地域医療に興味がある
クリニックの中には往診を行っているところもあり、医師に同行して処置などを行うこともあります
また、クリニックの医師が地域の園医や校医を担っていることもあります
その地域の人々の健康の支えになっていることを感じることができるため、地域医療に興味がある方にはおすすめです。
自分で向上心をもって学べる
クリニックでは教育体制が整っていないことが多いので、わからないところは自ら聞いたり調べたりしなくてはいけません
健康に関するニュースなどにもアンテナをはり情報収集しておき、患者さんに聞かれたときに答えられるようにしておきたいです
そのため、自分から学びを深めることができる人はクリニックの仕事に向いているといえます
協調性がある
クリニックは少人数で運営しているところが多いため、助け合いが重要となります
他のスタッフの状況を理解して動くことで、互いに気持ちよく仕事をすることができます
スタッフの顔ぶれが同じだからこそ、互いを尊重し協調性をもって業務をこなすことが大切です
まとめ
クリニック看護師の仕事について解説してきました
- クリニックの仕事は診療の補助が中心だが、物品管理や雑務などもある
- 病棟よりも給料は減少する可能性が高いが、体力的な消耗も少なくプライベートが充実できる
- クリニックは地域医療に貢献しており、やりがいを感じることができる
クリニック看護師に興味がある方の参考になればうれしいです